治験担当官、日本の事情(ジェネリック医薬品はなぜ安い2)
日本の場合、
治験担当官の資質にも問題があります。
治験担当官の机の上にはいつも、
治験薬の許可をもらいたい製薬会社の書類が山積みです。
治験を許可する厚労省の担当責任者の多くは東大法学部出身です。
治験担当官には医学部・薬学部出身者が少ないというのが実情です。
アメリカでは、
40年も以前に製薬会社が出資して、
「臨床薬理医」の養成制度を大学医学部に依頼し、
3年間の研修を完了した内科医に相当の奨学金を出し、
大学薬理学部で2年間の高度な臨床薬理学を習得させて、
臨床薬理学専門医を育成しています。
製薬会社はこれらの優秀な臨床薬理医師に
新薬の治験を施行管理させ、
食品医薬品局(FDA)に新薬の治験申請をさせたということです。
審査側のFDA(食品医薬品局)も
審査官に臨床薬理医を雇用したので、
治験が早急に達成できるようになったということです。
日本では、
治験は臨床薬理医がするのではなく、
医師会のボス的存在である臨床科教授がするので、
治験が長期間に亘り、
製薬会社は大変な時間的損失を被っているというわけです。
日本の医療改革のためにも
臨床薬理医の育成が急がれるところです。
新薬の開発にはこんな事情があるので、
新薬メーカー側ととしては、
「開発に10年も要したのだから、20年は販売を独占しますよ、
100億円もかかったのだから、元をとるまで高く売りますよ」
ということに当然なってくるわけです。
そして、
新薬メーカーが特許期限の延長を申請すれば、
さらに5年間の延長許可が下りる、ということになっています。
治験が円滑に進むように、
日本でも早く臨床薬理医の育成に力を入れてほしいわね!
新薬の開発工程(ジェネリック医薬品はなぜ安い1)
新薬の開発には
10〜15年の歳月と
150〜700億円という莫大な開発費用がかかります。
薬をつくる過程というのは、
@基礎研究、A非臨床試験、B臨床試験
の工程を必要とします。
@基礎研究というのは、
植物・鉱物などの自然界にある新規の物資から有効成分をみつけだし、
遺伝子技術やバイオテクノロジーを駆使して合成し、
化学構造上の薬理作用を割り出すのです。
顕微鏡を覗き、
亀の甲の化学式とのにらみ合いの作業が3年も続きます。
A非臨床試験というのは、
動物試験の繰り返しです。
効能があるか、身体にどのような影響があるか、安全か
こんな試験に5年も費やします。
B臨床試験というのは、
多くの動物実験のデータをもとに
厚生労働省に「治験」を依頼します。
法律で定められた治験審査委員会で承認されれば、
「治験薬」と呼ばれ、
初めてヒトで臨床試験をすることになるのです。
病院と患者の協力で、
安全性、使用量、効果を最終的に確認する期間が3〜7年です。
最近では新聞でも、
「治験してくれる方の募集広告」を見かけます。
広告を出さなければならないほど協力者が居ないということです。
治験のおかげで
より有効な新薬が開発されてきた事実を考えると、
いかに多くの人の命を救うのに
治験が大切なことか、ということです。
C厚生労働省への承認申請
多くの臨床データのもと、
専門家での厳しい審査を受けること1〜2年。
ゾロ新薬の申請がぞろぞろとだされてくるわけだから、
いつになったら許可がおりるのかわかりません。
新薬をつくるときは、
気の遠くなるような工程を踏んでいるのね!
