映画「シッコ」はアメリカの医療制度を変える?/海外の医療と福祉1
アメリカでは、
日本のように国民健康保険制度がないことを
アメリカのジェネリック医薬品のところで書きました。
国民は個々に
民間の保険に加入しているというのですが
貧富の差が著しい国なので
当然保険に加入していない人も多いわけです。
2005年現在で
人口の16%にあたる約4500万人が
保険に未加入という報告もあります。
低所得者層のために
ジェネリック医薬品を普及せざるを得ない
事情があったようですが
アメリカの医療事情というのが
どれほどのものかということは、これまで
あまり知られてはいなかったのではないでしょうか?
カンヌ国際映画祭で
パルムドール(最優秀作品賞)を受賞した
マイケル・ムーア監督の前作品、「華氏911」(2004年)では
ブッシュ政権のイラク政策を
公然と批判したことで話題になりましたが
監督の新作映画「シッコ」では
アメリカの医療・保険制度を標的に
「格差社会」の実情を浮き彫りにしているようです。
「シッコ(SICKO)」とは、「病人」の俗語。
「いかれた」という意味もあるそうで
今のアメリカの医療制度を皮肉っている意味もあるようです。
医療保険を払い続けたものの、
「既往症や持病の報告義務を怠った」
「保険対象外の治療である」
といった難癖を付けて
保険会社が治療費を払わない、というようなことは
信じられないことですが当たり前のようにあるとか。
医療・保険制度の欠陥そのものが
保険会社、製薬会社にとっては「うちでの小槌」。
企業や政治家が巨額の金を使って
どのようにして有利な法律・制度をこしらえ、
公的健康保険のような都合の悪い仕組みが
できないように排除してきたかということを
「シッコ」では暴き出しているようです。
「シッコ」は
米大統領選にも影響を与え始めているようで
医療保険改革は
大統領選の争点になりつつあるということです。

「強いアメリカ」は
貧弱な医療制度の上に成り立っているのでしょうか?
それにしても
「生死の鍵」を保険会社に握られて黙っているほど
アメリカ国民ておとなしかったでしょうか?
もしかしたら他の先進諸国に
国民保険制度というものがある、という事実を
知らなかっただけかも知れませんね。
