クラビット事件/ジェネリック医薬品事件簿6
製薬会社の主力商品の特許の期限の多くが、
2010(平成22)年前後に
集中しているといわれていて
これを「2010年問題」などと
呼ぶそうですが
特許期間が満了したからといって
そう簡単に先発薬から
後発薬(ジェネリック医薬品)への切り替えが
すすむとは限らないようです。
新薬メーカーによる先発薬の
「延命措置」が増えてくることが
確実視されているからです。
2006年2月に
第一製薬(現第一三共)の
抗菌剤「クラビット」をめぐり
こんな騒動がありました。
クラビットの有効成分である
「レボフロキサシン」の特許は
2006年6月に切れることになっていたので
後発医薬品メーカーはこぞって
同じ成分の薬の発売を目指したところ
特許切れ間近の2006年2月、
レボフロキサシンの特許が
延長されることになったというもの。
この騒動は
後発医薬品メーカーの間では
「クラビット事件」などと呼ばれているとか。
特許延長の理由は
レジオネラ菌などの殺菌という
新たな薬効が認められたことによるもの。
特許法上、
効能が追加されると
特許期間が延長されるという制度は
世界共通のようですが
延長の回数に関して
日本と欧米とでは大きな差があるようです。
欧米では
効能追加による特許延長は
1度しか認められないようですが
これに対し、日本では
上限を5年間として
複数回の延長が認められるようです。
実際に第一三共の場合でも
効能追加を繰り返して、
レボフロキサシンの特許期間を上限いっぱいの
2011年5月まで延長したというものです。
特許を巡る日本と欧米との大きな違いは
欧米では、
先発薬の効能が追加されても、
それ以前の薬効をうたった後発薬ならを発売できるが
日本では
先発薬の特許が残存している限り、
後発薬の申請は薬事法上、認められない、
というところにあるようです。
医薬工業協議会では
「薬事法が先発薬の安易な延命に使われかねない」として
厚労省に対し薬事行政の矛盾を訴えているようです。

後発薬(ジェネリック医薬品)の普及を推進しながら、
一方では先発薬メーカーの過剰な保護を続ける政府、
本当にやる気があるのか?
先発薬・後発薬開発のバランスのとれた薬事法を
国民は望んでいるのです。
